技術部配属 入社5年目
粟原 義己
当社は本年九月に創立五十周年を迎えました。
音と振動の専門家集団として、これからも皆様の信頼に応えてまいります。
閉じる
先輩インタビュー
仕事が面白くてしかたがない
独自の分析ソフト開発や
大学との共同研究にも
取り組む。
部長というと、この部門全体を統括して、マネジメントして、そんなイメージを持たれるかもしれませんが、この会社は上司部下の関係がない会社です。技術者は全員、それぞれが業務を担当しており、担当業務で行き詰ったりした時などは、社内で経験豊富な技術者のアドバイスを受けたり、社内の資料や文書による情報収集を行い、業務を遂行してゆく、というスタンスです。
私も入社してから30年以上になりますが、ずっと会社の先輩技術者のやり方を見て、アドバイスを受けることで自分に役立ててきました。ただ、自分の技術として身に付けるためには、安易にまねるだけでなく、自分で考えて理解し、必要ならアレンジすることは大事ですね。
たとえ社長からのアドバイスであっても、どう反映させるかは自分で判断しないといけないですよね。逆に若手からの意見であっても、役立つことがあるかもしれないですし。とはいえ、大抵の場合は、経験がある方がやはりいろいろと頭に入っているものがあるので、私も聞かれれば、相手の質問に合ったアドバイスをするように心がけています。
仕事が楽しいですね。私はこの会社がものすごく自分に向いていると思っています。どんな仕事であっても、何かしら新しいことを感じることが多くあり、以降の業務を遂行するにあたって役立っているという実感があります。
OTO技術研究所の強みの一つは、何十年もの間、「音と振動」に関するあらゆる調査を大小関係なく沢山積み重ねているということです。難しい案件や、専門特化したような案件に遭遇しても、過去の実績が沢山この会社には蓄積されているので、その資料を掘り返して調べると、本当に貴重な宝の情報がでてきたりするんです。データはその時、そのケースでしか出てこないものなので、それがいくつかあると、見えてくるものが違ってきます。
対策やコンサルティングを行うにあたって、沢山の経験をし、知見を広く持っているというのはとても役立ちます。クライアントに伝えられる話が全く変わってきますよね。違った角度から事象を捉えることができます。
この会社の技術者は、高いレベルで、計画・調査・コンサルティングを行うことができる技術力を持っていると自負しています。そんな音響コンサルタントの集合体がOTO技術研究所なんだと思います。
業務としてはホールやアリーナなどの室内音響性能を要求される設計業務や調査業務、コンサルタント業務の他、通常の騒音や遮音の調査やコンサルティングも行っています。
学生時代、大学の卒業研究で簡単なホール音響シミュレーションプログラムを作ったのですが、入社後、それをブラッシュアップして会社の業務として使える音響シミュレーションのプロトタイプを開発しています。時間と労力が多くかかりましたが、今では音響設計で活用できるプログラムが自社開発できました。
大学の先生方と、数値解析などの研究や新しい規準の実務対応に向けた情報の収集などを共同で行い、日本音響学会などで発表したりもしています。こういった研究は、実務で培った自身の技術や経験を役立てられていますし、専門性の高い分野のコンサルティングを業務においても、知見を広げて情報を習得することができ、役立てられています。
全てが許されるわけではないのですが、研究開発については、しっかりと必要性と業務に役立つことを説明すれば会社の経営者が理解を示してもらえる一面がOTO技術研究所にはあります。その点は私含めて技術者にとってはありがたいですね。
今でもホール音響シミュレーションはもとより、数値解析をはじめ様々な音響に関するシミュレーションに興味を持っており、シミュレーション技術の情報収集に努めています。時には簡単なテストプログラムを開発したりする事もあります。
これからも技術者として経験と知見を広げて、今よりもさらに高いレベルを目指していきたいと思っています。どこまで行けるか分かりませんが、1年前の自分よりも成長していると実感できるように、常に心がけています。